美味礼讃
ブロガーの若きパティシエさんお勧めの小説を読みました。
辻調理師専門学校校長・辻静雄さんの自伝小説・『美味礼讃』です。
これらのエピソードは実話なんだろうか…と思いながらも、とても感動しました。
昭和36年、学校を創立するにあたり、ホテルの一流シェフが作るフレンチを食べたけれど、独学で勉強した「ラルース・ガストロノミック」と全く違うことに愕然とする彼は、本物のフレンチを知りたいとフランスへ旅立ちます。
「技術は君が教えなくても放っておいても覚える。しかし、そこから先の最終の出来上がりの味というのは、どんなに才能があるコックでも想像が付かない。君は生徒の中から才能のあるコックを見つけて、最終の出来上がりの味がどういうものかを叩き込めばいいんだよ」
このアドバイスに従い、一流のフレンチを食べつくし自分の舌に味を記憶させていきます。
本物を極めるための努力は並大抵なことではないようです。
私なんか特に、素晴らしいと言われる「料理本」を見ながら作っても、最終的な味は分からないので、失敗か成功かはわからず曖昧の満足感しか味わえません。
’93年に辻静雄氏は亡くなられたようですが、関西に住む私は「辻調理師専門学校」の印象が変わりました。
料亭の吉兆をはじめ、最近の食品偽造が多い中、料理に対する純粋な思いを持った人の話を読めてよかったです。
調理師になる予定はないので、ここでの教育を受けられませんが、初代校長の思いをいつまでも受け継いでいって欲しいと思います。
余談ですが、辻って二種類あるそうです。
①辻調理師専門学校(辻調グループ)
②辻学園調理・製菓学園(辻調学園グループ)
私がテレビでよく見る人は前者の人じゃなくて後者の人だと今知りました。
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